OECDは中東紛争で世界成長率の上振れが消滅したと指摘し2026年のインフレ率見通しを4.0%に上方修正
OECDは最新の経済見通しで、中東紛争の激化が世界経済の回復を鈍化させ、2026年の成長率は2.9%にとどまると予測しました。エネルギー価格高騰によりG20のインフレ率は前回予想から1.2ポイント上昇し4.0%に達する見込みです。日本はエネルギー輸入コスト増が投資を相殺し、成長率は0.9%に据え置かれました。
経済協力開発機構(OECD)は26日、中東で激化する紛争が世界経済の成長軌道を押し下げたとの警告を発しました。特にホルムズ海峡を通じたエネルギー輸送の停滞が、インフレを急激に押し上げる脅威となっています。パリに拠点を置くOECDは、イランでの紛争が勃発する前は世界経済が予想を上回る成長を遂げる見通しであったものの、その可能性はほぼ消失したと指摘しました。 世界のGDP成長率は、昨年の3.3%から2026年には2.9%に減速し、2027年には3.0%へとわずかに上昇する見通しです。エネルギー価格の急騰と紛争の不確実性が、技術関連投資の好調や実効関税率の低下といった追い風を打ち消す形となっています。2026年の成長率は昨年12月時点の予測から据え置かれましたが、紛争が激化しなければ0.3ポイントの上方修正が行われる可能性があったとしており、その期待は戦闘の影響で完全に打ち消されました。 物価面では、エネルギー価格の高騰により、G20諸国のインフレ率は2026年に従来予想を1.2ポイント上回る4.0%に達し、2027年には2.7%に落ち着くと予測されています。 米国の経済見通しについては、複雑な貿易情勢が影を落としています。米連邦最高裁判所が国際緊急経済権限法に基づく関税に反対する判決を下したことで、ブラジル、中国、インドを含む複数の新興国に対する二国間関税率は低下しました。しかし、全体的な実効関税率は依然として2025年以前の水準を大きく上回っています。米国のGDP成長率は、AI関連投資の恩恵を受ける一方で、実質所得の伸び悩みや個人消費の減速により、2026年の2.0%から2027年には1.7%に鈍化する見込みです。 各地域の動向を見ると、中国の成長率は2026年に4.4%、2027年に4.3%と予測されており、従来の予測通りとなりました。一方、ユーロ圏はエネルギー価格の上昇が重石となり、2026年の成長率は0.8%に低下する見通しです。これは昨年12月時点の1.2%から大幅な下方修正となります。 日本の成長率は2026年、2027年ともに0.9%と予測されています。旺盛な設備投資が続くものの、エネルギー輸入コストの上昇がその効果を相殺する形となり、予測は据え置かれました。OECDは中央銀行に対し警戒を怠らないよう求めるとともに、政府による家計支援策は対象を絞り、期限を限定したものにするべきだと提言しています。










