インド政府がエネルギー供給の国内優先を指示しホルムズ海峡の混乱に対応するため各社にデータ共有を命令

米国とイスラエルによる対イラン戦争でホルムズ海峡の物流が停滞する中、インド政府は国内のエネルギー供給を確保するため、関連企業に対し輸出入や生産データの共有を命じました。ガス不足に直面する同国は、非常事態権限を行使して家庭用LPガスの増産を優先し、産業用ガスの販売を制限する方針を打ち出しています。

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世界第3位の石油輸入・消費国であるインドは、米国とイスラエルによるイランへの軍事行動に伴うホルムズ海峡の混乱により、エネルギー輸送に大きな打撃を受けています。中国とは異なり、インド政府は精製燃料の輸出禁止措置は取っていませんが、国内の供給能力を正確に把握するため、エネルギー各社に対して輸入、輸出、および生産データの共有を義務付けました。また、近隣諸国への供給については、自国の需要を優先的に評価した上で判断する方針を示しています。

インドは世界第4位の石油精製国であり、23の製油所が日量約560万バレルを処理しています。民間大手のリライアンス・インダストリーズや、ロシア資本のナヤラ・エナジー、そして国営のヒンドゥスタン・ペトロリアムとスチール王ラクシュミ・ミタル氏の合弁会社であるHPCLミタル・エナジーが、全体の精製能力の約40%を管理しています。一方で、オイル・インディアなどの国内生産者が賄えるのは需要のわずかな一部に過ぎず、石油の90%以上、天然ガスの約半分を輸入に依存しています。

インド・ムンバイのガソリンスタンドで、車両に燃料を給油する作業員(2018年5月21日撮影)。REUTERS/Francis Mascarenhas

特に液化天然ガス(LNG)の主要供給元であるカタールが不可抗力(フォース・マジュール)を宣言したことは、インドのエネルギー情勢に影を落としています。紛争前、インドは原油輸入の40%以上を中東に依存していました。また、家庭用調理燃料として広く普及している液化石油ガス(LPG)についても、昨年の消費量3315万トンのうち約60%を輸入しており、その9割が中東からの供給です。

燃料の輸出に関しては、多くの国営製油所が輸出を停止する中で、リライアンス・インダストリーズが国内最大の輸出業者としての地位を維持しています。同社の輸出特化型製油所からは、アフリカ、米国、欧州、豪州、アジア、中東へと燃料が供給されています。国内の小売市場では、バーラト・ペトロリアムなどの国営小売3社が全給油所の約91%を支配しており、チェンナイ・ペトロリアムなどの精製業者から製品を調達して消費者に販売しています。

現在、インド政府はガソリンや軽油の在庫は十分であると主張していますが、ガス不足は深刻な課題となっています。これを受け、ペトロネットLNGやGAIL(インド)は地元産業向けに不可抗力を通知しました。政府は緊急権限を発動し、3億3300万世帯の家庭用需要を守るため、製油所にLPGの増産を命じるとともに、産業用ガスの販売制限を指示しました。また、国民に対してはLPGシリンダーのパニック買いを避け、可能な限り配管天然ガス(PNG)への切り替えを検討するよう呼びかけています。

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