FRBのクック理事がイラン戦争によるインフレリスク増大を指摘し、市場の年内利下げ観測はほぼ消滅しました
米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は26日、イランでの戦争により物価安定と最大雇用のリスクバランスがインフレ側に傾いたとの認識を示しました。原油価格の上昇が目標達成を妨げると懸念しており、現在の市場では年内の利下げ観測が事実上消失しています。雇用市場は均衡しているものの、今後の状況は不安定であると述べました。
米連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事は、イランでの紛争が中央銀行の二大責務である物価の安定と雇用の最大化に対するリスクバランスを、インフレの方向へとシフトさせたと指摘した。イェール経営大学院での講演において、クック理事は現在の経済情勢について以下のように述べた。>ネットで見ればリスクのバランスは概ね均衡していると考えているが、イラン戦争の結果、現時点ではインフレリスクの方が大きいと主張したい。アメリカ合衆国とイスラエルが2月28日に開始したイランとの戦争は、インフレ率をFRBが目標とする2%からさらに乖離させる要因となっている。クック理事は、過去1年間にドナルド・トランプ前大統領が課した関税がインフレ抑制の進展を妨げてきたとした上で、今回の戦争がその状況をさらに悪化させていると警告した。エネルギー市場では、戦略的要衝であるホルムズ海峡を通じて運ばれる世界の石油供給の約5分の1が遮断されたことで、原油価格が急騰している。2月下旬に1バレル約75ドルだった指標価格は、今月には100ドルを超えた。このようなエネルギーコストの上昇は、コルゲート・パルモリーブのような大手消費財メーカーの製造・輸送コストを押し上げ、最終的な製品価格への転嫁を通じてインフレを加速させる懸念がある。労働市場について、クック理事は次のように述べている。>労働市場に関しては均衡していると見ているが、それは危うい均衡だ。FRBは先週、政策金利を3.50%から3.75%の範囲で据え置いた。当時は年内に0.25%の利下げが行われるとの見方が大勢を占めていたが、原油価格の上昇と戦争の長期化懸念を受け、市場の期待は一変した。現在、金利先物市場では年内の利下げの可能性は事実上ゼロと見なされている。











