EU首脳が単一市場の活性化に向けた工程表を策定し2026年から段階的に実施
EU首脳は19日の首脳会議で、域内4億5千万人の単一市場を効率化するための具体的な期限を設定しました。2026年から2027年にかけて、越境サービスの簡素化や「EU版株式会社」の設立、資本市場同盟の構築などを進めます。米国や中国に対抗し、域内の競争力と投資環境を抜本的に改善する狙いです。
欧州連合(EU)の首脳陣は、4億5000万人の消費者を抱える単一市場の効率性を高めるため、一連の施策に初めて期限を設定した。これは、アメリカ合衆国や中国に対する競争力を強化するための緊急性を反映したものである。

2026年6月まで:国境を越えたサービスの簡素化
EU各国政府と欧州議会は、ある加盟国の労働者が別の加盟国でサービスを提供しやすくするための、簡素化・統一された自発的な電子申告システムに合意する予定である。現在、国境を越えたサービス提供は、官僚的な手続きや27カ国で断片化された規制、複雑な文書作成などによって困難な状況にある。
2026年7月・夏季まで:銀行の競争力と排出権取引の見直し
欧州委員会は、EU銀行部門の競争力に関する報告書を提示し、金融の安定を維持しつつ経済への融資能力を高めるための提案を行う。また、排出権取引システム(ETS)の見直し案も提示される予定だ。これは炭素価格の変動を抑制し、電気料金への影響を緩和することを目的としているが、加盟国間ではシステム維持を求める声と大幅な変更を求める声で意見が分かれている。
2026年秋まで:資格の相互承認と労働の自由化
欧州委員会は、専門資格やスキルの相互承認、デジタル化、相互運用性を改善し、域内での労働者の移動を容易にするための提案を行う。
2026年末まで:EU版株式会社の創設と市場保護
企業が「EU版株式会社」として最短48時間で設立できる制度への合意が目指される。これは27通りの国内法が混在する状況を避け、特にスタートアップや中小企業の規模拡大を支援する設計となっている。また、第三国からの製品がEUの健康・安全・品質基準を遵守しているかを確認するための保護策の強化や、製品のラベル・包装規則の統一に向けた提案も行われる。
さらに、行政負担を軽減するための既存の法案簡素化パッケージの完了や、戦略的分野での域内製品の優先購入を定める「産業アクセラレーター法」への合意も予定されている。金融面では、貯蓄を投資に振り向けるための「貯蓄・投資連合」の創設に向けた複数の法案交渉の妥結や、デジタル・ユーロに関する法案交渉の完了も目標に掲げられた。
2027年3月まで:単一市場における障壁の撤去
2025年5月の単一市場戦略で特定された障壁の撤去において、具体的な進展を図る。これには、複雑な規則や資格認定の制限など、企業が直面する「最悪の10の障壁」の解消や、国境を越えたサービス活動の促進が含まれている。



