英スタンダードチャータード銀行がインドのカード顧客売却を検討しコタック銀行とフェデラル銀行が提案を提出
英スタンダードチャータード銀行は、インドでクレジットカードのみを利用する約60万人の顧客基盤売却に向け、現地コタック銀行とフェデラル銀行からの提案を精査しています。不採算の単一商品サービスを縮小し、富裕層向け業務へ集中する戦略の一環です。売却後も他の取引がある富裕層のカード顧客約7万人は維持する計画です。
スタンダードチャータードは、インドにおけるクレジットカードのみを利用する顧客基盤の売却に向け、コタック・マヒンドラ銀行およびフェデラル銀行からの買収提案を検討している。関係筋によると、この売却の可能性は、単一商品のみを利用する顧客への注力を減らすという同行の戦略の一環である。
英国に本拠を置くスタンダードチャータードは、収益性向上のためにインドにおける非中核事業の整理を進めてきた。昨年も、当時4億8800万ドルと評価されていたインドの個人向けローン事業をコタック・マヒンドラ銀行に売却している。

関係筋によると、コタック・マヒンドラ銀行とフェデラル銀行は、同行にとって非中核とみなされる「クレジットカードのみの顧客」ポートフォリオの取得に向けて最終提案を提出した。現時点で提案の具体的な財務条件は明らかになっておらず、各行ともコメントを控えている。
関係者の一人は、売却の背景について次のように述べている。
スタンダードチャータードは現在、両行からの提案を精査しており、結論が出るまでには時間がかかる見通しだが、今回の売却検討はクレジットカード事業全体からの撤退を意味するものではない。
同行は今回の売却後も、他の銀行取引がある約7万人の富裕層顧客については、クレジットカードの利用を継続させる方針だ。今年1月には、プライオリティ・クライアント向けに招待制の「ビヨンド・クレジットカード」を導入するなど、ウェルス・マネジメントおよび富裕層セグメントへの戦略的転換を鮮明にしている。
インドの国内銀行にとって、このポートフォリオの買収は、競争の激しい市場において顧客獲得コストを抑えつつ規模を拡大する絶好の機会となる。現在、コタック・マヒンドラ銀行は450万枚、フェデラル銀行は200万枚のカードを発行しているのに対し、スタンダードチャータードの発行枚数は約67万枚となっている。
インド市場では、地元企業との激しい競争を背景に、外資系銀行が小売事業を縮小する動きが相次いでいる。2023年にはシティグループがインドの個人向け事業をアクシス銀行に売却して撤退したほか、ドイツ銀行も同国での小売およびウェルスマネジメント事業の売却を検討しているという。
2025年度の年次報告書によると、スタンダードチャータードはインド市場から16億ドルの営業収益を上げており、これは同行の全世界における総収益の7.8%に相当する。









