ウクライナのドローン攻撃でロシアの石油輸出能力が2割低下し生産削減が避けられない見通しとなりました
ウクライナによるロシアの港湾や製油所へのドローン攻撃により、ロシアの石油輸出能力が日量100万バレル減少しました。パイプライン網に原油が滞留し貯蔵施設も限界に近づいているため、ロシアは石油生産の削減を余儀なくされる見通しです。世界第2位の輸出国による減産は、世界のエネルギー供給に影響を与える可能性があります。
ロシアの石油生産削減が不可避な情勢となっています。ウクライナによる港湾インフラ、パイプライン、製油所へのドローン攻撃により、輸出能力が日量100万バレル(総能力の約5分の1)減少していることが、複数の業界関係者の話で明らかになりました。世界第2位の石油輸出国であるロシアの供給減は、中東情勢の影響で不安定化している世界市場にさらなる圧力をかけることになります。
ウクライナは先月、ロシアの石油輸出拠点への攻撃を激化させました。4年以上に及ぶ紛争の中で最大規模となった今回のドローン攻撃は、ロシア経済を弱体化させる狙いでバルト海のウスチルガ港やプリモルスク港を標的にしています。現在、ロシアの総輸出能力の少なくとも20%が機能停止に追い込まれており、これは米国やサウジアラビアに次ぐ産油国であるロシアの生産活動に無視できない影響を及ぼしています。

関係筋によると、主要な輸出拠点であるウスチルガ港は、ドローン攻撃による火災発生を受けて1週間前から輸出を停止しています。輸出施設と国内製油所の双方が攻撃されたことで、ロシアの石油パイプライン網には行き場を失った原油が滞留し、貯蔵タンクも限界に達しつつあります。このため、システム全体の崩壊を防ぐために、一部の油田では強制的な減産を余儀なくされる見通しです。
国際市場では、2月末のイスラエルによるイランへの攻撃開始以来、北海ブレント原油やWTI原油といった原油価格が上昇しています。ロシアはこの価格高騰の恩恵を受けているものの、石油と天然ガスが国家予算の4分の1を支えている現状では、エネルギー生産の減少は国家財政にとって大きな痛手となります。
輸出能力の低下は、バルト海沿岸への攻撃前から始まっていました。ハンガリーやスロバキアへ原油を送るドルジバ・パイプラインが1月から停止しているためです。ロシアの石油の8割以上を輸送する国営のトランスネフチは、ウスチルガ港での積み込みが困難である旨を輸出業者に通知しました。
この問題はロシア国内に留まらず、カザフスタンの輸出にも影響を及ぼしています。同国はウスチルガ港を通じて月間20万〜40万トンのKEBCO原油を出荷していますが、ロシア側のインフラ損傷により出荷スケジュールに遅れが生じています。さらに、ロシア国内の製油所が定期メンテナンスに入る時期と重なったことで、処理できない余剰原油がさらに滞留するリスクが高まっています。








