トランプ氏がFRBに利下げ要求もイラン情勢緊迫による原油高で市場のインフレ懸念が強まり利下げ観測は後退
トランプ米大統領は12日にFRBへ即時利下げを要求しましたが、イラン情勢に伴う原油高を受けて市場の利下げ観測は後退しています。ホルムズ海峡の封鎖懸念から原油先物は95ドル台に達しており、エネルギー価格上昇によるインフレ再燃が警戒されています。ゴールドマン・サックスは利下げ開始の予想時期を9月へと先送りしました。
3月12日、イランでの紛争激化に伴い原油価格が急騰する中、米国のドナルド・トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長に対し、改めて即時の利下げを要求しました。トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、次のように主張しています。
彼は直ちに金利を引き下げるべきだ。
しかし、2月28日に米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以来、投資家はトランプ氏の要求とは逆の方向に動いています。原油価格の上昇がインフレを悪化させ、FRBが年内いっぱい、あるいはそれ以降も利下げを見送るとの予測が強まっているためです。紛争開始前、金利先物市場では年内に2回の0.25%利下げが織り込まれていましたが、現在はかろうじて1回の利下げが予測される程度にとどまっています。

これは、トランプ氏がパウエル氏の後任として指名したケビン・ウォーシュ元FRB理事が、5月中旬に議長に就任するという期待があるにもかかわらずの状況です。ウォーシュ氏は利下げに前向きな人物と目されています。一方、イランの新たな最高指導者モジュタバ・ハメネイ師は12日、世界の石油供給の5分の1が通過するホルムズ海峡の封鎖を継続すると表明しました。これを受けて、米国のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は上昇し、1バレル=95.70ドルで取引を終えました。
原油価格の高騰はガソリン価格の上昇を招くだけでなく、輸送コストの増大を通じて食品やその他の商品の価格も押し上げる可能性があります。また、ホルムズ海峡は肥料輸送の主要な経路でもあるため、食品価格へのさらなる影響が懸念されています。
ゴールドマン・サックス・グループのアナリストは12日、FRBが目標とするPCEインフレ率が12月までに2.9%に達すると予測しました。これに伴い、次回の利下げ時期の予想を従来の6月から9月へと後退させています。










