中東情勢の緊迫化で原油が急騰し世界的に株安。米雇用統計を前にスタグフレーションへの警戒感が広がる

中東での紛争拡大を受けて原油価格が2024年7月以来の高水準に達し、インフレ加速と景気減速への懸念から世界的に株価が下落しました。市場では中央銀行が利下げを先送りするとの見方が強まっており、債券利回りも上昇しています。投資家の関心は、金曜日に発表される米雇用統計の経済指標へと移っています。

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中東で激化する紛争がエネルギー供給への懸念を呼び起こし、インフレ加速と成長鈍化が同時に進行する「スタグフレーション」への恐怖が投資家の間に広がっています。3月5日の市場では、原油価格の急騰を受けて債券利回りが上昇し、株式市場は軒並み下落しました。戦火の霧が立ち込める中、経済のファンダメンタルズも無視できない状況です。金曜日に発表される米国の雇用統計や、AIが雇用に与える影響への関心が、一時的に中東情勢から目をそらす要因になるかもしれません。

2026年3月5日、米国ニューヨークのニューヨーク証券取引所のフロアで働くトレーダーたち。REUTERS/Brendan McDermid

市場の動向

本日の主要な市場の動きを振り返ると、アジア市場では日本が2%、韓国が10%上昇するなど堅調な反発を見せましたが、欧米市場は赤字に転落しました。ナスダックは0.3%の下落にとどまったものの、ラッセル2000は2%下落し、ブラジルは2.5%、メキシコは3%の下落を記録しました。

個別銘柄では、S&P500の8セクターが下落しました。キャタピラーやゴールドマン・サックス・グループが3.5%下落した一方で、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)は2.5%上昇しました。外国為替市場ではドルが全面高となり、新興国通貨が打撃を受けています。南アフリカのランドとチリのペソは約2%下落し、G10通貨ではオーストラリアドルが1%安と最大の下げ幅を記録しました。

債券市場では、英国の利回りが今週だけで30ベーシスポイント上昇しました。また、ドイツの2年物国債(シュッツ)利回りも今週25ベーシスポイント上昇し、過去3年間で最大の上げ幅となっています。商品市場では、ブレント原油が5%上昇し、2024年7月以来の高値を付けました。一方で、ドル高と利回り上昇を受けて金は1.5%下落しました。

地政学リスクと経済見通し

地政学面では、イスラエルと米国による空爆が行われる中、トランプ氏がイランのハメネイ師の息子を拒絶するなど、紛争は泥沼化の兆しを見せています。また、中国では全国人民代表大会が開催され、新たな経済・政治の青写真が示されました。

市場は、中央銀行が「インフレは一時的」という過去の誤りを繰り返さないことに賭けています。現在、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げは10月まで期待されておらず、欧州中央銀行(ECB)は利下げよりも利上げの可能性が高いとみられています。今後の注目材料には、カナダの2月PMIや米国の雇用統計が含まれます。

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