フランス政府は電化支援を年間100億ユーロに倍増させて2030年までの脱化石燃料依存を加速させる方針を表明
フランスのルコルニュ首相は、石油やガスなどの化石燃料依存から脱却するため、電化への国家支援を2030年まで年間100億ユーロに倍増すると発表しました。ヒートポンプの設置拡大や電気自動車の普及促進により、輸入エネルギーへの依存を減らす狙いです。新たな財源は設けず、既存予算の枠内で対応するとしています。
フランスのセバスチャン・ルコルニュ首相は10日、石油やガスなどの化石燃料への依存を脱却し、電気への移行を加速させるため、2030年まで国家支援を年間100億ユーロ(約120億ドル)へと倍増させると発表しました。この措置は、電気自動車(EV)の普及促進や住宅暖房の近代化を含み、フランスが輸入エネルギーへの依存を減らすことを目的としています。背景には、イランでの紛争によりホルムズ海峡を通過する貨物が停止し、湾岸諸国のエネルギーインフラが破壊されるなどの供給混乱が生じている現状があります。

ルコルニュ首相はテレビ演説の中で、現在のエネルギー消費の60%が輸入された化石燃料に依存している一方で、国内生産された電力は3倍安価であると指摘しました。
今日、私たちのエネルギー消費の60%はこれら輸入された化石燃料によるものですが、国内で生産される電力はそれよりも3倍安価です。
ブレント原油や天然ガスへの依存が続く限り、他国の紛争の代償を払い続けることになるとし、それが自国を貧困化させると警鐘を鳴らしました。
私たちが石油やガスに依存し続ける限り、他人の戦争の代償を払い続けることになり、それは残念ながら今後も続き、私たちを貧しくさせるでしょう。
フランス政府は2030年までに、ガス輸入額の20%に相当する85テラワット時を国内電力に置き換えることを目指しています。その具体的な施策として、2030年まで毎年100万台のヒートポンプを追加設置し、来年からは新築建物における暖房用ガスボイラーの設置を禁止する方針です。また、2050年までに200万戸の公営住宅でガス暖房を廃止する計画です。
交通分野においても、2030年までに新車販売の3分の2を電気自動車にする目標を掲げています。低所得者層や仕事で長距離を運転する層を対象に、10万台のEVを対象とした「ソーシャル・リース」プログラムを展開するほか、商用車やトラックに対しても1台あたり最大10万ユーロの補助金を提供します。ルコルニュ首相は、燃料税の引き下げについては、国庫への負担が大きく産油国を利するだけであるとして否定しました。なお、今回の追加資金については、財政赤字目標を達成するため、新規の増税ではなく既存予算の再編によって賄われるとしています。









