欧州中央銀行がドル資産を売却し円へ投資、外貨準備の構成比を調整しドル比率は78%に低下。2025年決算は赤字幅が縮小。
欧州中央銀行は2025年初めにドル資産を売却して全額を日本円に投資し、外貨準備におけるドルの構成比は前年の83%から78%に低下した。同行はこれを目標配分に合わせるための通常の資産構成調整としている。また、2025年通期決算は13億ユーロの赤字を計上したが、前年の79億ユーロから赤字幅は大幅に縮小している。
欧州中央銀行(ECB)は、外貨準備ポートフォリオの標準的なリバランスの一環として、米ドル資産の一部を売却し、その資金を日本円資産に振り向けたことを明らかにしました。この動きにより、ECBの外貨準備におけるドルの比率が低下する一方で、円の比率が上昇しています。

ECBが発表した財務諸表によると、2025年第1四半期に行われたこの取引により、9億900万ユーロ(約10億7000万ドル)の利益が創出されました。売却益はすべて円資産に再投資されたとのことです。アメリカ合衆国の経済政策の不確実性やドル安を背景に、大口の資産保有者がドルへの露出を減らしているとの観測が流れる中での動きとなりましたが、ECBはこの措置の重要性を控えめに説明しています。
今回の取引は、目標とする配分に合わせるための外貨準備構成の標準的なリバランスの一環である。
具体的なデータを見ると、ドルの保有額は前年の519億ドルから509億ドルに減少した一方、日本の通貨である円の保有額は1.5兆円から2.1兆円へと大幅に増加しました。ユーロ建てで計算した外貨準備に占めるドルの割合は、前年の83%から78%に低下しています。ただし、この低下の一部はドル安による影響も含まれていると考えられます。また、準備資産に占める現金の割合も上昇しました。外国為替市場では、こうした中央銀行の動向がユーロ/ドルやドル/円の長期的な需給に影響を与える可能性があります。
一方で、ECB全体の財務状況は依然として厳しい局面が続いています。2025年度の通期決算では13億ユーロの純損失を計上しました。これは前年度の79億ユーロの損失からは縮小しているものの、過去の金融緩和策に伴う負の遺産が重くのしかかっています。世界的な金利上昇局面において、ECBは過去に供給した過剰流動性に対して多額の利息支払いを余儀なくされており、これが収益を圧迫しています。
ECBは今後1〜2年以内に黒字転換すると予測していますが、累積した損失の解消や引当金の積み増しには数年を要する見通しで、配当の支払いが再開されるのは2030年代に入る可能性があると示唆されています。なお、量的緩和策で購入された債券の多くは各国の中央銀行が保有しており、ドイツ連邦銀行が最大の打撃を受けているほか、オランダやベルギーの中央銀行も損失を計上しています。
中央銀行は民間銀行とは異なり、物価の安定と金融政策の遂行を目的としているため、巨額の損失や債務超過の状態であっても業務を継続することが可能です。







